肥料や農薬を使用しない自然栽培米を用いた酒造り。「奇跡のお酒」の秘話とは？　

ネーミングに興味津々！？ 奇跡のお酒

このお酒を初めて手に取られたお客様は、「なに、奇跡だって！」、海外で「ワオ！ ミラクルサケ！ ワッツ！？」と、こうした反応が多い菊池酒造の「木村式 奇跡のお酒」。
近年では個性的な銘柄も増えていますが、やはり伝統的な吉兆や風土をイメージした銘柄の多い日本酒。そんななか「木村式 奇跡のお酒」は、「奇跡」というネーミングに、ワクワク感と、ミラクルへのちょっとした猜疑心と、だからこそ試してみたいとお客様の目を惹きつけています。一口飲むと「なるほど、奇跡の味ってこういうことか！」と親しんでいただけるお酒です。

蔵のこと

「木村式 奇跡のお酒」の蔵元、菊池酒造は、明治11年（1878年）創業、岡山県随一の観光地として誇る倉敷市に位置します。五代目蔵元の菊池 東（きくち とう）は、“一度飲んだら忘れられないような理想のお酒”を自らの手で実現したいと考え、平成8年（1996年）、酒造りの責任者・杜氏に就任。“伝統を育み、未来に伝えるこだわりの美酒づくり”をモットーに、自らの手できめ細やかな酒造りを行っています。菊池酒造の伝統的な銘柄「燦然（さんぜん）」に加わったシリーズ「木村式 奇跡のお酒」は、2010年に誕生しました。

「木村式 奇跡のお酒」の誕生

2010年春、岡山にて、より安心・安全なお米の安定的供給を目的とした「岡山県木村式自然栽培実行委員会」が立ち上がります。“絶対不可能”と言われた無農薬・無肥料でのリンゴ栽培を実現され、映画や著書『奇跡のリンゴ』で高名な木村秋則氏（青森県のリンゴ農家）のご指導のもと、賛同される農家さんが自然栽培の米作りに取り組んでいます。社長 菊池東も、この実行委員会の副理事長として参画し、肥料や農薬を使用しない米を用いた酒造りへ挑戦を始めました。この岡山県産自然栽培米で、純米吟醸酒や純米大吟醸酒を醸し、このシリーズを「木村式 奇跡のお酒」と銘打ちました。
お米そのものの味わいが詰まったこのシリーズは、飲み口がクリアでキレが良く、愛飲家の方にはもちろん、日本酒初心者の方や女性のお客様にもご好評いただいております。

シリーズ待望の『木村式 奇跡のお酒 純米吟醸 雄町 生原酒』

さて、今回ご紹介させていただく「木村式 奇跡のお酒 純米吟醸 雄町 生原酒」は2018年新春に発売。国内外のコンクールで高評価をいただき、シリーズで最も人気の「純米吟醸 雄町」の待望の生原酒です。
たいへん希少で日本酒愛飲家に人気の岡山県特産の酒米「雄町」を、木村式自然栽培で収穫し、55%まで磨かれたこの米で、社長杜氏が匠の技をもって丁寧に醸しました。フレッシュでフルーティーな香りと、みずみずしい濃醇な味わいが特徴の本酒は、しぼったその日に瓶詰めする、本来、酒蔵でしか出会えない味わいです。

オススメの飲み方・ペアリング

このお酒はなんといっても、しぼった当日に瓶詰めし、低温保管していたお酒です。ゆえに、とてもフレッシュな香り・味わいが特徴です。ワイングラスに注いで、まずはその弾けるようなみずみずしい香りを楽しんでください。また、少し氷を入れて楽しんでいただいてもよいと思います。少し甘口のお酒ですので、さっぱりとしたお料理、特に酸味がきいた料理との相性抜群です。カルパッチョやスモークサーモンなど、いいですね。ここ、菊池酒造のある倉敷市（岡山県南）が接する瀬戸内海は、脂が乗って身が締まった白身魚の美味しさも格別です。機会がありましたらぜひ足をお運びいただき、当地の美味しい食と本酒とのペアリングもお楽しみいただきたいですね。

菊池酒造株式会社

明治11年に創業。酒銘「燦然」、岡山県産自然栽培米で醸すシリーズ「木村式 奇跡のお酒」、地元の名前を冠した「倉敷小町」などを展開。酒造りの期間中は、モーツァルトの音楽が流れる蔵の中で、酒米の王様「山田錦」や岡山の誇る酒米「雄町」「朝日」「アケボノ」といった酒造りに適した米を使い、優れた水質を誇る高梁川流域の水と、備中杜氏の伝統的で卓越した技をもって、品質本位をモットーに酒造りを行っている。国内はもちろん、約10の国や地域への輸出も積極的に行っており、インターナショナル・ワイン・チャレンジ（イギリス）やKura Master（フランス）、サケセレクション（ベルギー）などの海外の日本酒コンクールでも常に高い評価を得ている。