シャンパンコールの産みの親!伝説のホスト『頼朝』が語るスパークリング日本酒の魅力☆
イチオシSAKEスパークリングワインとの出会い
日本酒でありながら、フランスの権威あるワインコンクール「フェミナリーズ」で金賞を受賞したという「Oh Splash」。 このスパークリング日本酒がどんな酒かを語る前に、わたしとスパークリングワインの出会いを語らせていただこう…。25年ほど前、二つのワードが呼称される空間、ホストクラブにご縁をいただいたときの事です。
当時、私は学生時代の借金を600万以上も抱え、バブル崩壊後の不景気のなか、右肩あがりの上場企業のサラリーマンに。返済に不安だった私は近い将来を考え、今では会社に申し訳ない話でしたが昼はサラリーマン、夜はホストという清濁併せ呑む環境に身を投じていました。
毎日飛び交う二つのワード
ホストを始めたときに初めて聞く夜のビジネスツール「ドンペリ」と「シャンパン」。この二つのワードが毎日のように飛び交っているわけです。ホストの世界に身を投じるにつれ、「ドンペリ」はどうやらシャンパン生産者の名前なんだとやっと初めて解りましたがホストをやる前は、「ドンペリ」という単体のお酒で(笑)。「シャンパン」とはクリスマスの時に飲むお祝いの炭酸ワイン(笑)、こんなイメージでしかなかったのです。
その後「ドンペリ」以外に「ヴーヴ・クリコ」をホストクラブで数本を空けるようになりました。「ヴーヴ・クリコ」は原価の低い、ボトルバックのつく、ホストくんにとってはありがたいビジネスツール的なシャンパンという認識に当時はありました。
オーダーが入ることにより、「ドンペリ」、「ヴーヴ・クリコ」がテーブルに運ばれると、お客様、指名ホスト、ヘルプホストとで飲むのですが、次のボトルに辿り着くまでに時間と内臓への負荷がかかっていた訳です。(売りあげは欲しいが体がもたない……)ここで私が考案したのが「ドンペリ コール」でした。
社長の無茶ぶりから生まれた「ドンペリ コール」
学生時代からイッキコールに関してこだわりを持っていた私。多くのネタが脳内にストックされており、学生時代には一応、ユーロビート系ダンスボーカルグループのメンバーでもあり、当時の「ORICON」という雑誌に新人紹介までされたこともありました。
ある日、ホストクラブ経営の社長のテーブルについた時、その社長から「よりちゃん、これからドンペリ入れるから盛り上げてよ!」と、マイク一本だけ渡されました。無茶振りと思われるような社長のフリに応えようと、ユーロ系のステップを踏みながら学生時代のコールをその場でアレンジしながら……、お客様のお名前を下手から連呼……、なぜか人気深夜番組「11PM」のメロディーが私の脳裏に流れ始め……、「シャバダバー シャバダバ〜〜」と青春時代の夜に一番耳にしたフレーズが、ドンペリのシュワシュワ感とも合い重なり、その場で「ドンペリ コール」が完成した訳です。
スタッフ全員がマイクを持つ私を面白がりました。その後、ドンペリなどのシャンパンがオーダーされるとあたりまえのように、オーダーしたテーブルにスタッフが集まり一杯づついただき、「ごっつぁんコール」! そしてスタッフ全員がサッと去っていく……、この瞬間的エンターテーメントが『トップダンディ』で完成されました。「ドンペリ コール」がエンターテインメントになるので、お客様はそれが楽しいようで1本が2本、2本が3本、3本が……と、まさに奇跡の多利多売の構図が完成された訳です。
歌舞伎町の酒屋から「ドンペリ」が消えたことも
『トップダンディ』でシャンパンを入れると、何か面白いことが起こるという噂がホスト遊びする方々の間で喧伝され、やがて歌舞伎町の他店のホストクラブの方も見に来てくれるようになり、歌舞伎町の「ドンペリ」が一時期、どこの酒屋さんにも売り切れで店頭で買えなくなったこともありました。テレビ、雑誌などの媒体の影響もあり、地方のホストクラブの方も、シャンパンコールを観に来てくれるようになり全国的に広まったのです。今でもホストクラブではこのシャンパンコールはある意味でのサスティナブルで基礎的でお約束的なサービスに成っております。それをホスト業界に仕掛けた自負はありますが、ホストクラブ全体の財産になってくれればいいなと思っています。ハイ!
今までと真逆の世界 ソムリエ資格を取得
今では、日本はシャンパーニュ輸入国第3位となり、多くのシャンパーニュが接待系のお店、クラブ、レストラン、バー等で気軽に楽しまれるようになりました。しかしながら、フランス母国のシャンパーニュ地方には厳格な呼称統制機構もあり、シャンパーニュを楽しむ為に適した知識等や、日本のマーケットに向けてはもっとシャンパーニュメゾンの想いを伝えたり、もっと正しいコメントが出来るよう、現在わたしは、今までと真逆の世界の勉強を始めたところなのです。
スパークリング日本酒「Oh Splash」
さて、今回出会ったスパークリング日本酒「Oh Splash」に話を戻しましょう。
外観はグレーがかったホワイトで純米酒の濁りの中にも、一定のクラリティー(清澄度)を感じます。泡は滑らか。ベタつきも無く、粘性は滑らかです。香りのノートはエレガントでフルーティー、熟れかかったライチ、山梨の梨のプライマリーアロマ、スイカズラのような白いお花のヒント。
麹由来の発酵のアロマ、サワークリームのような爽やかなセカンダリー。魚の粕漬けや、野菜の出汁を炊いて柚味噌を添えるような先出し物、甘鯛の塩焼きなどが相性良いです。
ドザージュしたシャンパーニュのあとにいただきましたが、それにも負けないストラクチャーを感じました。素晴らしい日本酒スパークリングです。
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